歯の喪失予防

年を取ると歯の本数が減りがちです。残っている歯の平均本数は、2016年厚生労働省の全国調査では65~74歳で約21本、75歳以上で約16本。75歳以上で20本以上ある人は46%でした。

歯を失うと、咀嚼や話すこと、笑うことにも支援をきたし、家に閉じこもりがちになるとの報告があります。また、歯の本数の減少が心血管疾患や認知症の発症、全ての原因による死亡率と関連するという報告もあります。

 

歯を守るには緑茶を飲み、他人のたばこの煙を避けることが良さそうだと研究結果が最近相次いで発表されました。

 

 

  • 緑茶や交友に効果

東北大歯学研究科の大学院生らは「新型コロナウイルスの感染拡大で友人・知人に会う機会が減っている今、緑茶の効果が期待できるかもしれない」と述べています。

 

*「緑茶」と「友人・知人関係など社会的ネットワーク」の効果

緑茶は1ℓ当たりフッ素化合物約1mgを含み、他に苦味や渋みの成分であるカテキンも含み、虫歯や歯周病の予防効果があることが報告されている。1日に4杯以上の緑茶を飲む高齢者は飲まない人に比べ、1.6本多く歯が残っている

→1日4杯以上の緑茶を飲もう!最低でも1日1杯を目標に。

 

* ネットワークが豊かな人ほど歯が多い

健康に関する情報に接することが多いためではないかと言う。1カ月に10人以上の友人、知人と会う人は1人も会わない人に比べて2.6本多く歯が残っている

→コロナ禍で外に出て友人、知人と会うことが難しい今、メール等ではなく電話をし、なるべく会話をしてコミュニケーションを取るようにしましょう。

 

 

  • 受動喫煙はリスク

東京医科歯科大助教の研究チームが、65歳以上の地域在住高齢者約2万人を対象に分析をしました。年齢や性別の影響を取り除いて分析すると、受動喫煙に全くさらされていない人と比べて、毎日受動喫煙にさらされていた人は、歯の本数が20歯以上ではなく、0本である可能性が1.35倍高いことがわかりました。

受動喫煙を防ぐことによって、高齢者における口腔内環境の改善に役立つ可能性が示唆されました。

2020年4月、健康増進法の一部を改正する法律が全面施行され、望まない受動喫煙を防止するための取り組みは、努力義務から義務規定となりました。本研究はこの施策を支持する結果を示していると言えます。

 

*分煙しても完全にはたばこの煙の被害はなくなりません。

一人でもたばこを吸っている人がいたら、家族全員の健康が害されることになります。

たばこを吸う夫の妻は、夫からの受動喫煙がない人に比べて肺がんのリスクが1.3倍になり13)、家族に気を使って換気扇の下で喫煙していても、子どもの尿からは大量のニコチン代謝物が検出されたというデータもあります。同じ空間では、完全にたばこの煙をシャットアウトすることは現実的に不可能なので大切な家族や周囲の人を守る手段はただひとつ、禁煙なのです。

 

 

  • 参考文献

新聞;眼科学・歯科学 南日本(共同)2020年10月7日(水)

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