免疫って何?

口腔ケアと免疫力は関係するの?

免疫力を高める食べ物はあるの?

この記事では、「口腔ケアと免疫力の関係性」「免疫と食べ物」の方面から詳しくお伝えします。

正しい口腔ケアは免疫力を高める?

結論から言うと、口腔内と免疫には、関係性があります。

ですので、口腔状態を良く保てると免疫力が正常に働きやすくなります。

免疫力を「高める」という言葉がよく使われますが、免疫力は働きすぎてもアレルギーなどの問題を誘発します。

一方で、正常に働かないと風邪やインフルエンザなどの感染症を誘発します。

免疫において大切なのは「正常に機能する」ように整えることです。

免疫力とは?

免疫力とは、ウイルスや病原菌など、身体にとっての異物が体内に侵入した際に、その異物から身体を守るように働くシステムのことです。

一言で言うと「病気を免れるための力」のことです。

よく

・一度病気にかかったら二度とかからない
・二度目は症状が軽くなり治りやすい

と聞いたこともあると思います。

これは免疫システムによる生体反応があるためです。

さらに、免疫システムは、体内で発生したがん細胞などにも対応します。

このように身体が病気にならないように守ってくれるシステム(力)が「免疫(力)」です。

口腔環境と免疫力の関係性

口腔環境と免疫力はどのような関係性があるのでしょうか?

主に

・口腔内の細菌
・口腔と全身の健康の関係性

と言う面から説明します。

口腔内の細菌

口の中には、多くの常在細菌が存在しています。

例えば、歯周病などの原因になるプラークや舌の表面についた舌苔などです。

このように身体にとって悪影響を及ぼす細菌やウイルスを減らすことが大切です。

口腔の免疫は、粘膜免疫というシステムにより、害を及ぼす微生物を排除しています。

丁寧に口腔ケアを行って、口腔環境を綺麗に保てると免疫が十分に働けるようになるのです。

口腔と全身の健康の関係性

口腔の問題には、全身の健康状態と密接な関連性があることが報告されています。

有名なところで言うと「歯周病」と「糖尿病」です。

糖尿病は、生活習慣病の代表的な疾患で、歯周病の合併症の1つと知られています。

血糖値をコントロールするインスリンの分泌に問題が起こるもので、主に糖質が関係しています。

虫歯や歯周病も「糖質」に起因して進行する病気なので、栄養素の面から見ても関係性が深いと言えます。

その他にも、心疾患や慢性腎臓病、呼吸器疾患、骨粗鬆症、関節リウマチ、がんなどの全身疾患と関係することが分かっています。

したがって、口腔の健康を維持できると、全身の健康維持にも良い影響を与えられるのです。

免疫力を高める食べ物

免疫を正常に機能させるという意味で、免疫力を高める食べ物について紹介します。

食べ物のポイントとなるのは「健康的な身体を作る栄養素の補給」です。

「この食材を食べれば免疫が高まる」というモノではなく、身体にとって必須な栄養素を補給することです。

健康的で元気な身体を維持できれば、免疫力は正しく働きます。

具体的な栄養素をあげるなら「たんぱく質」と「ビタミン・ミネラル」です。

たんぱく質

たんぱく質は、「髪の毛、皮膚、筋肉、酵素」など体の細胞や免疫物質を作る原料になる栄養素です。

人の身体を作るための「原料」となるので、最も大切な栄養素と言えます。

もちろん、不足すると、細胞や免疫物質が生成されることはありません。

細胞や免疫物質そのものが正常に作られないため、健康に影響が出てくるのは容易に想像がつくでしょう。

ビタミン・ミネラル

ビタミンやミネラルは、主に糖質、脂質、たんぱく質の消化吸収や分解、合成を助ける働きがあります。

栄養素を補給するだけでなく、身体に吸収しなければ意味がありません。

その働きを助けるため、ビタミンやミネラルは必須な栄養素と言えます。

食べる前に食るべきでないモノを排除

免疫力を含めて身体の健康を考える際に大切な考え方があります。

それは「摂取すること」よりも「摂取するべきでないモノ」を排除することです。

代表的なモノをピックアップします。

・砂糖
・果糖ブドウ糖液糖
・加工肉
・酸化した脂

健康を考える上で、まずは上記のモノを避けることからスタートしてみて下さい。

甘いモノ、ジュース類、ソーセージやハム、揚げ物などを避けるだけでも、身体の状態は良い方向に改善していきます。

マシなモノに置き換える

これまでの習慣を大きく変えるのは難しいところもあると思います。

テクニックの1つとして「我慢」ではなく「置き換え」を行ないましょう。

・ジュースを飲むならばブラックコーヒーを選ぶ
・お菓子を食べるならヨーグルトやナッツ類を食べる

と言うように、食べても問題がない食材に置き換えることで、ストレスを緩和でき、無理なく継続ができます。

積極的に摂取して欲しい食べ物

食べるべきでないモノを避けられるようになれば、以下の食材を積極的に摂取しましょう。

主な栄養素は以下の5つです。

・オメガ3脂肪酸
・たんぱく質
・ビタミン、ミネラル
・低GI食品な糖質
・ビタミンC

オメガ3脂肪酸

オメガ3脂肪酸は、体内にとって重要な必須脂肪酸の1種です。

EPAやDHAと呼ばれることも多いので、聞いたことがあるかも知れません。

オメガ3脂肪酸は、主に魚(サケ、マグロ、さんま)や植物油(あまに油、えごま油)、ナッツ類(ナッツ、くるみ)などに多く含まれます。

サバ缶(味付けされていないもの)などを上手に活用すると摂取しやすいです。

コーヒーの中にあまに油やえごま油を入れて飲んだり、「おやつ」や「おつまみ」の代わりにナッツ類を食べるようにすると効率的に摂取できます。

たんぱく質

たんぱく質は、アミノ酸スコアの高い食材を摂取しましょう。

アミノ酸スコアとは、食べ物に含まれる「たんぱく質」の量と「必須アミノ酸」のバランスを数字で表した指標です。

たんぱく質はアミノ酸に分解され、約20種類あります。

そのうち身体にとって必須となる「必須アミノ酸(身体ではつくり出せないアミノ酸)」は9種類あります。

必須アミノ酸が1つでも欠けると身体を維持することができなくなります。

ですので、アミノ酸スコアの高い食品から、たんぱく質を摂取することが大切です。

オススメの食材

肉、魚、卵、ホエイプロテイン
大豆製品、みそ、納豆、豆乳、豆腐

ビタミン、ミネラル

野菜類や果物類、海藻類、きのこ類などを摂取し、ビタミンやミネラルもしっかり摂取しましょう。

玉ねぎ、人参、わかめ、キノコ類など、どの食材も味噌汁と相性が良いので、味噌汁に具をたくさん入れると、効率的に摂取できます。

どうしても野菜が摂れない方は、粉末の青汁をプロテインに混ぜて飲むと、たんぱく質も一緒に補給できるので便利です。

ただし、ビタミンCなど水溶性ビタミンは、水に溶けやすく熱に弱いので、水で流したり、熱を加えたりすると栄養素が少なくなってしまいます。

特にビタミンCは身体での消費頻度が高く、尿として流れてしまうため摂取するのが難しい栄養素です。

ですので、ビタミンCはサプリメントで細かく摂取するのも効率的です。

ただし、サプリメントは余計な成分が入っていない(ビタミンCのみ)モノを選び、酸化には十分に注意しましょう。

低GI食品

主食として炭水化物を摂取する際は、さつまいもや玄米など、なるべく低GI食品を選びましょう。

GI(グリセミック・インデックス)とは、食後血糖値の上昇度を示す指標のことです。

人の身体は、血糖値が急激に乱高下することで、さまざまな不調をもたらします。

ですので、血糖値の上がりにくい食品(低GI食品)を摂取し、なるべく血糖値の急激な乱高下を防ぐことが大切です。

また、空腹時の状態で糖質を摂取することが、最も急激に血糖値を上昇させると言われています。

なので、空腹のタイミングを作らないように分食(1日3回〜6回など回数を分けて食事を取る)したり野菜やたんぱく質、脂質を先に食べてから炭水化物を食べるなど、食べる順番を工夫しましょう。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

今回の記事では、「口腔ケアと免疫力の関係性」「免疫力を高めるための食べ物」についてお伝えしました。

人間の身体には、どんな病気にも対応できる素晴らしいシステムが備わっています。

その本来持っているポテンシャルを正しく発揮できるようにすることが大切です。

口腔ケアや食事を含めて、身体の機能が働きやすくなるような対策をしてみて下さい。