患者さん

歯と栄養には関係があるの?

患者さん

歯を強くするためには何をしたら良いの?

この記事では、そんなお悩みを解決します。

歯と栄養について気になっている方は参考にしてください。

歯と栄養の深い関係性

歯と栄養には深い関係性があります。

最近の研究では、さまざまな角度から科学的にも証明されてきています。

この記事では

  • 身体と栄養素
  • 栄養素を取り込む臓器として
  • 生活習慣病と栄養素
  • 免疫との関係性

といった方面から深掘りしてみたいと思います。

身体は栄養素から作られる

身体は、私たちが摂取する栄養素から作られます。

歯も例外ではなく、主成分はカルシウムと呼ばれる栄養素です。

そのカルシウムを吸収するためにはビタミンDが必要ですし、免疫システムとして働く細胞も栄養素で作られています。

また、ご存知の通り、糖や酸性飲料など甘いものは虫歯の原因になると言われています。

このように、歯と栄養には深い関係性があり、栄養面からアプローチすることでお口のトラブルを減らすことができます。

お口の中は栄養を取り込む入口

お口は、食べ物から身体に栄養を取り込むための入口となる臓器です。

お口の中の健康を維持することは「食べる」と言う当たり前の行為を行うために重要な役割があります。

実際に、歯が悪い人は硬い食べ物を避けて、比較的柔らかい糖質に栄養が偏ると言うこともわかっています。

また、栄養素の入口であるお口の健康が悪いと言うことは、それに基づく全身の健康にも影響があると言えるでしょう。

そういう意味でも、歯と栄養には深い関係性があると言えます。

生活習慣病と栄養素

生活習慣病は、以下のように栄養と深い関わりがあるとされています。

糖尿病

糖尿病は、血糖値をコントロールするインスリンと言うホルモンの影響により起こります。

インスリンは血糖値を下げるためのホルモンで、糖尿病患者は、インスリンの分泌が上手くできなくなるため、炭水化物を含む食品を過剰に摂取しないようにする必要があります。

全粒穀物、野菜、果物、豆、魚など食物繊維やタンパク質の豊富な食品を摂取することが重要です。

高血圧

高血圧は「生活習慣、体質、タバコ、お酒、ストレス、肥満、・運動不足・加齢による血管の老化など様々な原因が重なって起こります。

高血圧の場合、塩分の摂取に注意し、カリウム、マグネシウム、カルシウムなどのミネラルの摂取が重要です。

カリウムの豊富な食品:バナナ、スイートポテト、アボカドなど
マグネシウムの豊富な食品:ナッツ、種子、豆、緑黄色野菜などが
カルシウムの豊富な食品:乳製品、豆腐、青魚など

肥満

肥満の場合は、エネルギーの総摂取カロリーに注意する必要があります。

摂取カロリーが増えがちな人は、炭水化物や揚げ物、お菓子、ジュースなどにカロリーが偏る傾向にあります。

魚やナッツなど良質な脂質や食物繊維の豊富な野菜、果物、全粒穀物などの摂取量を意識して増やすのが好ましいでしょう。

心臓病

心臓病は、動脈硬化をはじめ、高血圧や高血糖状態が長期間続くことで、動脈の血管壁にプラークが起こることによって起こります。

ですので、他の生活習慣病と併せて起こることが多いです。

高血圧や高血糖状態が起こらないように、糖質の過剰摂取は避け、タンパク質、食物繊維、良質な脂質を重点的に摂取するようにしましょう。

このように生活習慣病は栄養の取り方によって、予防が期待できます。

また、最近の研究では、糖尿病と歯周病にも関係があることが分かってきています。

歯の健康を栄養面から守ることは、生活習慣病など、様々な病気の予防にも間接的につながると言えます。

免疫力と栄養素の関係

免疫力と栄養素の関係も非常に密接であり、免疫機能を正常に働かせるために不可欠です。

免疫力を高めるためには、以下の栄養素が重要です。

タンパク質

タンパク質は、体内の細胞や組織を作り出す材料になる栄養素です。

免疫機能を働かせる免疫細胞の材料にもなるので、タンパク質が不足すると免疫システムが正常に働きにくくなります。

ビタミンC

ビタミンCは、免疫機能を維持するために必要な抗酸化物質であり、細胞をダメージから保護する役割を持っています。

糖質の代謝やストレスなど、さまざまなところで使われる栄養素なので、現代人は枯渇しやすい栄養素と言われています。

水溶性ビタミンで熱に弱いので、加熱せず、細かく摂取するのがポイントです。

ビタミンD

ビタミンDは、免疫細胞の発育や活動に関与しており、免疫機能を強化するために必要です。

主に日光によって合成されるので1日の中で太陽を浴びる時間を作ることが大切です。

もちろん食品からの摂取も重要で、脂肪魚、卵黄、キノコ類から摂取できます。

亜鉛

亜鉛は、免疫細胞の発育や機能を促進するために必要な栄養素です。

亜鉛の豊富な食品には、赤身肉、海産物、豆、ナッツ、種子などがあります。

ただし、過剰摂取には副作用があるので、サプリメントで摂取する場合などは注意してください。

プロバイオティクス

プロバイオティクスは、プロバイオティクスは、腸内に存在する善玉菌を増やす働きがあり、腸内環境の改善や免疫力の向上に効果があります。

プロバイオティクスの豊富な食品には、ヨーグルト、キムチ、納豆、麹などの発酵食品があります。

これらの栄養素をバランスよく摂取することで、免疫機能を維持・強化できます。

免疫力が低下すると歯周病にもかかりやすくなると言われています。

お口のトラブルを防ぐためにも、免疫力を正常の維持することは大切です。

歯を強くする食べ物とは?

基本的には、虫歯や歯周病が好む糖質などの栄養素を取りすぎないことが大切です。

また、免疫系など身体の機能が正常に動くような食べ物を摂取することが歯の健康につながり、強化にもつながります。

具体的に、歯の強化につながる栄養素をあげるとすると以下の3つがオススメです。

  • タンパク質
  • ビタミン、ミネラル
  • 食物繊維

タンパク質

タンパク質は、私たちの身体を作るための必須栄養素です。

筋肉、臓器、骨、髪や爪などの成長、修復、維持に必要なアミノ酸の源となります。

他にも酵素やホルモン、免疫細胞の原料にもタンパク質が必要です。

現代人はタンパク質が不足しがちだと言われているので、魚、豆類、乳製品、卵などを積極的に摂取していきましょう。

ビタミン、ミネラル

ビタミンは、タンパク質や脂質、糖質など栄養素を代謝するための補助的な役割を持っています。

主に、体内で合成ができないため、食品から摂取する必要があります。

抗酸化作用のあるビタミンCやE、骨を強化するビタミンD、免疫系を強化するビタミンAなどがあります。

ミネラルは、生体機能を保つために必要な栄養素です。

骨や歯の形成、筋肉の収縮、神経伝達、代謝、免疫機能、血液の循環、水分バランスの調整など、体内の様々な機能に関与しています。

ミネラルが不足すると健康に悪影響を及ぼすことがあります。

一方で、過剰に摂取すると毒性を引き起こすことがあるため、適正量を守って摂取する必要があります。

ミネラルには、カルシウム、鉄、亜鉛、マグネシウム、カリウム、ナトリウム、セレン、銅、ヨウ素、クロムなどがあります。

食物繊維

食物繊維とは、人間が消化できない食物中の成分のうち、植物の細胞壁などに含まれる繊維状の成分の総称です。

水に溶ける水溶性食物繊維と、水に溶けない不溶性食物繊維に分かれます。

食物繊維は、便通の改善や、腸内環境の改善に効果があるとされています。

また、血糖値の急激な上昇を防いで、食後の血糖値の上昇を緩やかにします。

便通を促すことで毒素の排出をしたり、口の中の細菌の増殖を抑え、歯垢やプラークを減らすなどの効果もあると言われています。

食物繊維は、主に穀物、豆類、野菜、果物などに多く含まれます。

玄米や大豆製品、キャベツ、ブロッコリーなどの摂取を心がけましょう。

まとめ

歯と栄養の関係性歯を強くするための食べ物についてお伝えしました。

歯と栄養には深い関わりがあり、歯の健康を意識することで全身の健康にも影響を与えます。

また、お口は身体に必要な栄養素を摂取する入口であるからこそ健康に保つ必要があります。

しっかりと身体に必要な栄養素を摂取できるようにするためにも、将来的に長く健康を維持するためにも歯と栄養素の方面から健康を意識してみてください。